不動産取引は客商売
マンション売却は、買い手のお客様あってのものです。そのため、売主様の要望をすべて叶えるのは難しいと言わざるを得ません。そして、自身のマンションを売りに出すということは、マンションそのものが商品となるわけですから、売主様は買い手に対して「買って頂く」という姿勢を忘れないで頂きたいと思います。これは買い手のお客様にも言えることですが、お互いに感謝の気持ちを持って取引したほうが双方にとって好条件の売買になるでしょう。単に気持ちの問題だけでなく、売主様の対応一つで買い手にとっての物件の価値がぐっと上がることもあるということです。
友好的に接していれば、物件の利点をより買い手側に伝えることができますし、親切な売主様がこれまで大切に住んできた家なのだと、買い手側の印象はプラスになります。買い手にとって魅力的な物件となれば価格交渉もスムーズに進みますから、売却価格の不用意な値下げも防ぐことができます。買い手のお客様に良い印象を持って頂くことは、決して損にはなりません。
商品の価値を理解する
マンションの希望売却価格は、どの売主様でも相場より高くなる傾向があります。売主様自身が熟考を重ね、気に入って購入した最高の物件なのですからお気持ちはわかります。しかし、売主様にとっての利点が、買い手にとっても利点であるとは限りません。売主様にとっての利点をすべて価格に反映させてしまうと、売主様と同じ価値観の方しか購入対象として見てくれないということになってしまいます。
買い手を絞ってしまうことは、売買成立をも難しくしてしまいます。結果売れ残ることになっては元も子もありませんから、是非あなたがそのマンションを買った時の気持ちになって考えてみてください。
相場の考え方
マンション売却の相場を知ることは悪いことではありません。ただし、調べ方次第では情報に振り回されてしまうこともありますからご注意ください。そもそも、現在売りに出されている物件はまだ買い手がついていない物件です。物件そのものに魅力が欠ける場合もあるでしょうが、売れ残っている物件の価格で、はたして相場が測れるでしょうか？
また、売り出し価格と実際の売却価格は必ずしも同じではありませんし、実際いくらで売れたのか、それは当事者でなければ知り得ないことです。相場はあくまでも目安として留めておいて頂ければと思います。