価格の基準となるもの
マンションの売却価格は、初心者にはなかなか決めづらいことかと思います。買った時の値段ではもちろん売れないですし、だからと言ってどれだけ値下げするのが適切なのか見当も付かないという売主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで相場や市場価値がポイントになってくるわけですが、これは不動産会社に依頼すればそのあたりを考慮した査定額を提示してくれます。査定を依頼された不動産会社は、周辺の似たような物件がどのぐらいの価格で取引されたのかを調べ、あなたの物件に照らし合わせて大まかな金額を提示してくれます。実際の売却金額は、その査定金額を基準に、不動産会社が売れる額と売主様の売りたい額を相談して擦り合わせていくことになります。
査定額の捉え方
上記のように、不動産会社は過去の判例を元に査定額を出します。しかし、周辺で似たような物件の販売事例が少ない場合や、あったとしても何年も前のものでは、市場も変化していますから正しい査定額を算出することはできません。
また、販売に関する事情も販売実績だけではわかりませんから、安価での売却となった事例は「早急にお金が必要な売主様が安くてもいいから早く現金化した」ものかもしれませんし、逆に「高額での取引は時間をかけてじっくり買い手を探しようやく成約に至った」のかもしれません。あなたが早く売りたいのだとすれば、金額重視で長い時間をかけて売却した判例は当てになりません。
そして、買い手との巡り合いは実際に売りに出してみなければ解りませんから、査定額はあくまで目安として捉えて頂ければと思います。売主様自身で、ローン残高や諸経費を差し引いても損にならない最低販売額と、この値段なら満足と言う最高販売額を設定しておいて頂けると、金額交渉もスムーズになります。
価格と戦略
正直、販売額の設定はある程度自由です。売主様がこの価格以下では売りたくないとおっしゃるのであれば、相場より数段高い価格でも売り出すことは可能です。しかし、早期に買い手がつくかどうかは補償いたしかねます。なぜなら、買い手側には多くの選択肢があり、あなたの物件と同等の価値の物件が安く販売されていれば、そちらを選ぶことは明白だからです。
常に競争相手がいるマンション売却において、「早くなおかつ高く」売ることは残念ながら難しいのが現状です。だからと言って、両方を捨てる必要もありません。早く売りたければ安く、高く売りたければ時間をかけて売却すればいいのです。
このように、不動産会社は売主様の要望に合わせよりご希望に添える売却が行えるよう戦略を立てます。これからマンション売却を考えている売主様は、ご自身の売却事情を鑑みてどちらを優先したいのか決めておくことをお勧めします。